3つの具体的な事例からみる遺産相続

CASE.1

自分(A)が亡くなった後、
Aさんの相続人が
妻(B)と弟(C)しかいない場合に、
Bさんに自宅を含む相続財産を残してあげたい

遺言書がない場合

Aさんが亡くなった場合、遺言書がなければBさんとCさんでAさんの遺産を分け合うことになります。この場合の法定相続分は、Bさんが2/3、Cさんが1/3となります。
万が一、BさんとCさんとの間で相続の争いになりますと、Aさんの自宅を含む相続財産をどのようにして分割するか、家庭裁判所において調停・審判で争うことになります。

この場合、Aさんが、生前に「自分の遺産はすべて妻Bさんに相続させる」といった内容の遺言書を作成しておけば、弟であるCさんには遺留分がないため(遺留分の詳しい説明は、「よくあるご質問」のQ8をご覧ください。)、Aさんの死後、BさんがAさんの相続財産を相続することになります。
当事務所では、財産を遺される方のご希望に沿った遺言書を依頼者とともに考え、作成させていただきますので、是非、ご相談ください。

CASE.2

父(A)が亡くなって
自分(B)が相続手続きを
しなければいけないが、
仕事が忙しく何もできていない

Bさんは、Aさんの相続人として自分以外に誰がいるかを確認するために市役所などに行ってAさんの戸籍を取り寄せる必要がありますし、Aさんの預金を解約して払い戻す場合、金融機関からは相続人全員の承諾(署名・捺印が必要です。)を求められます。
このように、相続手続をする際には、役所や金融機関などに出向いて必要書類を揃えなければならないため、お仕事をされていて平日に動きがとれない方には、大変煩わしいものです。
当事務所は、相続人の間での争いがない場合でも、皆様にかわって相続人や相続財産の調査、遺産分割協議書の作成等の相続手続をサポートいたします。
なお、相続財産の調査については、「よくあるご質問」のQ6もご参照ください。

CASE.3

母(A)が亡くなって
自分(B)と兄(C)の2人で
母の遺産を分けると思っていたら、
母と同居していたCから
「Bに分ける遺産はない」と言われた

(1)全財産をCに相続させる旨の母の遺言書があった場合

特定または全部の遺産を「相続させる」旨の遺言は、特段の事情のない限り、遺産分割の方法(民法908条)を定めたことになるため、Aさんが亡くなり、遺言の効力の生じたときに直ちに全財産の所有権がCさんに移転することになります。
したがって、Bさんとしては、まず、①遺言書は、Aさんの意思に基づくものではないとして遺言が無効であると争う方法が考えられます。
また、遺言の有効性を争わないとしても、②Bさんは、遺言書により遺留分を侵害されたとして、Cさんに対し遺留分減殺請求をする方法も考えられます(遺留分の詳しい説明は、「よくあるご質問」のQ8をご覧ください。)。
いずれの方法によっても、Bさんは、調停や訴訟といった裁判所における手続きをする必要があります。

(2)遺言書がない場合

BさんからCさんに対し、Aさんの遺産の開示と遺産分割の話し合いを求めることになります。話し合いによる解決ができないとき、Bさんは、家庭裁判所に遺産の分割を請求することができます(民法907条2項)。
当事者間で遺産相続の話し合いができない場合については、「よくあるご質問」のQ7をご参照ください。

    

相続問題でトラブルとなりお困りの方は、是非、当事務所にご相談ください。

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