相続は、被相続人の死亡によって開始します。
通夜・葬儀・初七日
葬式費用は、相続税の計算上、相続財産から控除することができ、
遺産分割の際の資料となるので、領収書は残しておきましょう。
被相続人が死亡した日、または死亡したことを知った日から7日以内に市町村役場に死亡届を提出する必要があります。
死亡届の用紙と死亡診断書は一体となっています。生命保険金等を受け取る際にも死亡診断書が必要となります。
遺産の分け方については、遺言書がある場合は、相続人全員の同意がない限り、相続人の意思より、遺言書に記載された遺言者の意思が優先されますので、まず遺言書の有無を確認することが大切です。
公証人役場に問い合わせれば、公正証書遺言が作成されているかどうかは判明しますし、公正証書遺言の謄本をとって内容を確認することができます。公正証書遺言以外の遺言がある場合
家庭裁判所の検認を受ける必要があります。
(※検認とは、偽造・変造を防ぐために家庭裁判所が遺言書の現況を確認する手続です。遺言書の有効・無効を判断する手続ではないことをご留意ください。)
家庭裁判所における検認手続を受けないと、5万円以下の過料が徴収されることもあり、遺言書に基づいて不動産の登記手続もできません。保険会社への連絡
被相続人が生まれたときから亡くなるまでの連続した戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本等を取り寄せて、誰が相続人となるのかを確定する必要があります。
また、取り寄せた戸籍謄本等は、遺産の調査や相続税の申告や遺産の名義変更の際に必要になります。四十九日の法要
●戸籍・除籍謄本の取り寄せ ●財産目録の作成
被相続人の遺産・負債を把握する必要があります。
相続の開始を知ったときから3ヶ月以内に手続をする必要がある相続放棄等をするか否かを判断するためにも、まずは負債が資産を超過していないかを確認することが重要です。
相続放棄や限定承認の申述は、原則として、相続の開始を知ったときから3ヶ月以内に手続をする必要があり、これらの手続をしなかった場合は、単純承認をしたものとみなされます。
単純承認 相続財産を負債も含めて全面的に承継する 相続放棄 相続財産の承継を全面的に拒否する 限定承認 相続した資産の範囲内で被相続人の債務を弁済し、余りがあれば相続できる
被相続人に事業収入や不動産収入など申告すべき所得がある場合は、相続開始後4ヶ月以内に相続人が代わって所得税の申告をする必要となります。
遺産分割や相続税の申告の前提として、相続財産の範囲や評価を確定します。
遺産分割協議は、相続人全員が参加することが必要です。
相続人の一人でも欠いた遺産分割協議は無効となります。
相続人の中に未成年がいる場合
特別代理人を選任する必要があります。
相続人間で遺産分割協議がまとまらない場合
家庭裁判所に遺産分割の調停・審判を申立てて、遺産の分割方法を定めることになります。家庭裁判所での手続には、相続人本人(特別代理人を含む)の他に弁護士のみが代理人として参加することができます。
遺留分減殺請求
相続開始及び減殺すべき贈与、又は遺贈があったことを知った時から1年以内にする必要があります。
▼ 遺産分割方法の大きく分類すると以下の表のとおりです。
内容 | 長所 | 短所 | 課税 | |
---|---|---|---|---|
①現物分割 | 財産の1つひとつのそのまま各相続人に分配する方法 | わかりやすく、売却などの手間がかからない | 相続分どおりに分配するのは困難 | 課税されない |
②換価分割 | 財産を売却し、金銭にして分割する方法 | 公平な遺産分割が可能 | 現物が残らない、売却の手間・コストがかかる | 譲渡益に対して所得税と住民税が課税 |
③代償分割 | 相続人のひとりが財産を取得し、他の相続人に対価を支払う方法 | 農地や商店など分割しにくい財産に有効 | 代償できる資力のある相続人でないと難しい | 金銭払い以外は譲渡益に対して所得税と住民税が課税 |
④共有とする分割 | 各相続人の持ち分を定めて共有にする方法 | 公平な遺産分割が可能 | 財産利用の自由度が制限される 共有者に相続が生じるとますます共有者が増えて複雑 |
課税されない |
遺産分割協議がまとまれば、協議の内容にしたがって遺産分割協議書を作成し、これにしたがった遺産の名義変更等の手続をすることになります。
納税資金の準備
相続税の申告期限は、相続人がその相続の開始を知った日から10ヶ月以内となります。遺産分割方法について相続人間で争いがない場合は、申告期限までに遺産分割協議をまとめることになります。
延納・物納の申請